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milk [映画]

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   エミール・ハーシュ         ジェームズ・フランコ    ショーン・ペン 、ヴィクター・ガーバー
     (クリーヴ)               (スコット)     (ハーヴィー・ミルク、モスコーニ市長)

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ジョシュ・ブローリン(ダン・ホワイト)
milk1.jpgmilk2.jpg 提案6号反対バッチ
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映画は、1978年11月27日に凶弾に倒れた政治家ハーヴィー・ミルクが主人公です。
彼は、男性が好きな男性です。
単に好きというのではなく、男性を肉体的にも精神的にも愛さずにはいられない人。ゲイです。
1973年からサンフランシスコ市政執行委員に立候補し落選し続けまが、
4度目の挑戦となる1977年に、米史上初の選挙で公職に就くオープンリー・ゲイの男性となります。
しかし翌年の1978年の11月27日に亡くなるのですから、11ヶ月というに短命の政治家であるといえます。
ですが、彼の志は今も受け継がれ、マイノリティーのための運動の英雄となります。
彼と活動を共に運動をした人々は、ミルクの死後も人権に対する運動をし続けたのでした。
2008年5月には、彼の誕生日である5月22日を公的に 「ハーヴィー・ミルク・デー」 と規定する法案が可決されています。

プロポジション6(提案6号)とは、同性愛者の教師をその性的指向ゆえに解雇可能にする提案です。
ミルクは、住民投票で提案が成立すれば、教育分野だけに留まらず、他の職業や居住環境などもに拡大され、人種や障害者など差別など、マイノリティー差別に及ぶとして反対運動を展開しました。
彼は、運動に賛成する店の不買運動等を強力に展開し、運動を拡大していきます。
さらには、モスコーニをサンフランシスコ市長にすることで密接な関係も築きます。
確実に忙しく、確実に力をつけていくハーヴィー・ミルクでしたが…



以下ネタバレあり。(ご注意願います)




1972年。ニューヨークに住むミルクは、20歳年下のスコットをナンパします。
スコットと2人でサンフランシスコに引っ越し、カストロ地区に、「カストロ・カメラ」 を開店します。
しかし、同性愛者に対する差別から、近隣からのボイコットを受けます。
が、同性愛者のたまり場と化す 「カストロ・カメラ」 は、いつしか、マイノリティーのための活動の拠点となります。
ビールのボイコット運動をしたり、地元の商工会に対して別の協会を新設したりして既存の権力に抵抗します。
差別に屈せず生き残るため、存在を主張するために、頭と人を使って戦う活動への道を選んだのでした。
さらに、サンフランシスコ市長選で、モスコーニの応援活動をするなど、活動に拍車がかかります。
当選したモスコーニ市長からサンフランシスコ市政委員に任命されるミルクでしたが、
その熱意とは裏腹に、市政執行委員には落選を続けていました。
さらには、市政執行委員への執心は、スコットとの別れをもたらします。
4度目で、やっと当選したミルク。
縁あって(保護者のような関係もあり)新しい恋人ジャックと暮らし始めます。
ですが、精神的に追い詰めあられたジャックの心は、綱渡りのような状態だったのです。
そして、とうとう、孤独感に苛まれたジャックは首を吊って自殺してしまいます。
(ミルクには、何人かの恋人を自殺に追い込んだ過去がありました)
同じく市政執行委員に選ばれたダン・ホワイトとの関係は複雑でした。
敬虔なキリスト教徒の家に生まれ、善き父であり、善き夫であるダン・ホワイト。
その融通の効かない真面目さは、ダン自身を追い込んでいきます。
同性愛者であるミルクの世間への華々しいまでの影響力と行動力は、
ダンを突然の辞意表明にまで追い込む結果をもたらします。
ダンは、辞意を表明することで、モスコーニ市長を味方につけようとします。
しかし、ミルクは、モスコーニ市長にクギを刺したのでした。
思惑が外れたことに気付き、辞意を翻すダン。
しかし、モスコーニ市長は辞意撤回を受け入れませんでした。
追い詰められたダンの屈辱と怒りは、モスコーニ市長とミルクに向けられます。

彼は、モスコーニ市長を射殺し、ミルクを射殺したのです。

1984年1月。ダン・ホワイトは、5年足らずで刑務所を仮出所しますが、
10月21日。自宅のガレージの車内で排ガス自殺をしてしまいます。

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映画では、どんどんと活動が活発になり、人がどんどんと増えていきます。
エミール・ハッシュ演じるクリーヴは、最前線で人々を扇動します。
オトコマエのジェームズ・フランコは、冷静で賢明な魅力溢れる男性を好演しています。
ミルクが愛し、一緒に行動し、離れたけれど戻って来る恋人です。
ミルクが最後まで愛し求めた存在として描かれています。

ミルクが求めたのは、スコットとの平安な暮らしだったはずです。
それが、同性愛者への差別から政治活動へと発展し、スコットを去らせることになり、
新しい恋人のジャックは、活動家としてのミルクを愛したのではなく、
一人の男性として愛の対象としてミルクを求め、求められず死を選びました。

マイノリティーが生きるためには、ひっそりと、マジョリティーに屈して生きねばならないのか。
そんなはずはありません。
死に直面した、その目の先ににあったのはスコットの笑顔でした。
その眼差しが哀しい映画でした。


       [カチンコ]   [カチンコ]   [カチンコ]   [カチンコ]   [カチンコ]   [カチンコ]


ダンを捉まえて、「君も同性愛者だろう。ボクには分かる」 と言ったミルク。
もしかしたら、その言葉は、ダンを追い詰めたのかも知れません。

自らの存在と他者の存在を共存することの難しさは、
マイノリティーとマジョリティーの共存の難しさかも知れません。
だからこそ、その垣根のない社会を目指そうとしたミルク。
そして、多くの(自殺を考えていた)命を救いました。
しかし、救えなかった命もあったのです。
自らが凶弾に倒れることになったミルク。
ミルクの人生は、壮絶な人生であり、それはアメリカ人のアメリカ人のための政治行動だったはずです。

追悼の人々のキャンドルがその悲しみと感謝を表わしているのだと思いました。




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コメント 6

aneurysm

いかがでしたか?
インシャーラーさんの文章を読んだ感じだと、
お勧めして良かったと思います。

>マイノリティーとマジョリティーの共存の難しさかも知れません。

私自身も含めて、偏見思い込みなく物事を考えるのは
難しいですが、理解しようとする努力は辞めてはいけないと思います。
by aneurysm (2009-06-07 22:10) 

元気

こんばんは。

映画を観てから3週間が経ってしまいました。
なかなか記事に出来ず、どう書こうか、ずっと迷っていました。
実は、今も迷ったままです。(笑)

ショーン・ペンの演技は申し分なく素晴らしかったです。
他の出演者も素晴らしく、抑圧されていた人々の開放感が運動への熱意に変貌していく様も見事だったと思います。

ハーヴィー・ミルクは、11ヶ月という短命の政治家です。
彼が目指した社会というのは、いったいどういう社会だったのか…
職業や住居選択の自由が誰もが認められる社会だと思いますが…
「あちらをたてればこちらが立たず…」
ミルクがダンにしたこと。一種の裏切り行為だと思うのです。
誰にとっても生きやすい世の中。
彼が夢見たのは、そういう世の中であったはずです。
「ミルクがやらねば誰がやる!」 的に、人々に運動の方向性を見い出させる手腕は素晴らしいと思います。
ゆえに、その先にある社会を… 見たかった。
ダンによる射殺という結末でない展開。それが観たかったです。
ダンを追い詰めたのも、ジャックから距離を置いたのもミルクです。
そのミルクの苦悩と成長が凶弾に倒れたことで、観られなかったことが残念でなりません。

お勧め、ありがとうございました。


by 元気 (2009-06-07 22:50) 

haji

こんばんは。

ゲイを
リスペクトする?
差別等せず、普通の人と同様に扱う?

などといった意味で、虹がシンボルマークであるようですね。
元留学生から聞きました。

その彼はゲイではないのですが、自分の車にその虹のステッカーを貼っていました(写真で見せてもらいました)。

どうでもいいですが、ゲイのネタだったので思い出して書いてみました。

by haji (2009-06-08 20:41) 

元気

haji さん、おはようございます。
コメント、ありがとうございます。

>虹がシンボルマークであるようですね
>ゲイではないのですが、自分の車にその虹のステッカーを貼っていました

虹。色々な意味が込められていそうですね。
『MILK』 でも描かれてましたが、ゲイとノーマルの戦い(?)というより、
マイノリティーとマジョリティーの垣根を失くすことが願い、なのだと思います。
色々な人が居て、その存在を肯定する。
その願いは、ゲイの方だけの願いではありません。
ゆえに、虹がシンボルになり、多くの人に受け入れられていることにも納得です。
自分を大事にすることと同じように他人も大事にする世の中。
虹の向こうにある世界。
虹の向こうとこちら。隔ての無い世界になれば良いですね。

性の話題や愛撫。
公然と人前でされては、(いくら本能とはいえ)困ってしまいます。
それは、偏見でしょうか。
ヒトも動物だから、感情の発露だから当然なのでしょうか。
世間様では、教育上ヨロシクナイという見解(?)になると思います。

ヒトは、ヒト科の動物ですが、ヒトは人と違って良いと思います。
不当な迫害や人権の剥奪は論外ですが、ツツシミも必要だと思うからです。
「不快な気分」 は、不快になる人個人の問題だけでは無いと思います。
「不快な気分」 にさせる人にも問題があると思います。
共に問題を解決する道を探ることが必要だと思います。
存亡の危機に瀕した際には、急進的な運動や行動も已む無しだと思いますが、
私は、人らしい穏やかな変革が望みです。

性教育の問題もからむ(問題提起な)映画だと思いました。

 

by 元気 (2009-06-09 09:03) 

haji

こんばんは。

あ、映画を見ていないのにコメントしてしまい…申し訳ありません。
留学生とは、今は疎遠になってしまいましたが、友人です。
車好きという共通ネタがあって留学経験のない私にアメリカ留学の際の話を聞かせてくれていたのを思い出して、うろ覚えながら書いてしまったのです。

確かに虹には仰るように様々な意味がありそうですね。ゲイやレズのみではなく、マイノリティマジョリティの垣根を越える、そういった意味だったのかもしれませんね。
by haji (2009-06-09 22:06) 

元気

hajiさん、こんばんは。

>あ、映画を見ていないのにコメントしてしまい…申し訳ありません。

とんでもない。
ウロ覚えでも何でも、どんどんコメントして下さい。大歓迎です。
私もかなりイイカゲンなことを書いているかも知れません。
(思い込みもあるので…)
と、真剣なコメントには、つい力が入って… 長くなりがちです。(恥)

どうか、謝らず、楽しんで下さいね。
またのコメント、お待ちしています♪
by 元気 (2009-06-10 22:52) 

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